ソロアイドル復興か?激変するライブチャット事情!?

近年、アイドルシーンの草分け的存在であるライブアイドルは、公演やイベントなど「三竦み」の環境が主な収入源となっており、新型コロナウイルスの蔓延で甚大な被害を受けている。彼らはどうやって生き残るのだろうか。多くのライブアイドルに公演を提供してきた「東京アイドル劇場」代表のノトフ氏は、「今こそソロアイドルとしての強さが求められる」と言う。その心は。

トークやフォトセッションのネット配信も増えている
ノトフ氏は2015年に「東京アイドル劇場」をスタート。

'3月末から4月末までの公演をすべて中止しました。社会情勢や政府の発表を注視していきますが、仮に公演を再開できたとしても、いきなり以前のように200人集められる状況には戻れないと思います。出演者、お客さん、みんなにとって良い形で再開したいとは思っていますが、その間、活動を継続できないグループも出てくるでしょうし、ライブアイドル業界の文化が根底から変わってしまうかもしれません。

メジャーなアイドルに共通することだが、最近のアイドルシーンは「ライブを見て、仲間と盛り上がり、その後に撮影会に参加する」という「3秒で終わるアイドル」という側面が大きい。

例えば、ZOOMはPayPayのアカウントにあるQRコードで決済した人たちをつないでいます。オンラインで会話し、チェキの注文を受け、その場でサインをし、郵送などで現物を届けることができるのです。

求められるソロアイドルとしての強さ
今後は、個人の強さがより重要になると予測する。

YouTuberや「歌ってみた」動画も、ソロで活動している人が多い。活動の軸が一人の場合、トークの面白さ、ルックス、キャラクター、歌唱力など、人数で補うことはできない。メジャーなグループアイドルでも、個々に実力と魅力がなければ頂点に立てない。

実力差がより顕著になるということでしょうか。

しかし、トークセッションやフォトコンテストは、要するにライブ後の特典会のイベント部分がネットに移行したものだ。アイドルになるとはどういうことかと考えると、舞台だと思うんです。かわいい女の子と話すだけなら、チャットレディでもいいんですけどね。

追い込まれたからこそ、いろいろな発想が生まれたのだろう。

それぞれのアイドルが、自宅にいながら歌って踊れる環境を作りたいんです。音源や配信用に設置した機材、背景のカーテンなどを無料でレンタルして、ネット上でアイドルシアターを行おうと考えていたんです。携帯電話でSHOWROOMをやっている人は、月末になると容量の使いすぎで速度制限がかかってできない時があるので、その時に契約して携帯回線を送ればいい。

 

アフターコロナの設計図が描けるか?
安心してライブを楽しめるようになるのはいつ頃か

オンラインの大きなメリットは、今まで東京でしか見られなかったグループが、世界中の誰でも見られるようになることです。

英語ができれば、海外で人気者になる人もいるかもしれません。また、一人配信は自主性が求められる。昔は大人が用意した道筋に従うのが当たり前でしたが、これからは自分で考え、自分で発信していかなければならないのです。また、経営者の立場も変わってくるでしょう。配信機器を提供したり、ITの知識を教えたり、広告を出したり、よりエージェントに近い存在になるかもしれません。そういう意味では、運営側もプロフェッショナルであるべきだ。誰でもできる仕事をサポートするのではなく、YouTubeでの話題作りが得意、映像編集が得意、音楽の演出が得意など、どこかの分野で確かなスキルを持った運営者でないと難しくなるかもしれない。

アフターコロナ」が登場したとき、「以前よりアイドルシーンが良くなった」と言われれば、それはそれで幸せなことだと思います。これからは業界を問わず、既成概念や考え方にとらわれず、日々変化する状況に応じて柔軟にアイデアを出し、スピーディに形にしていくフットワークの良さが必要になってくるのではないでしょうか。

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